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ご主人の経営する紳士服屋さんの転機をチャンスに導く。1978年服屋さんの2階から始まった珈琲店、今は1階も珈琲店になり、3階の住まいは焙煎所に姿を変えた。はた珈琲店のお母さんドキュメント72時間な〜んちゃって。
11月18日(土)午後3時半。
畑(芳弘)さんが夕方から関学中学部の同窓会に行くというので、お母さん、この日は午後7時まで店にいるという。カップを温める、豆を選ぶ、豆を挽く。カップを少し斜めにして粉を受け、挽き口にコンコンと何回か当てる。フィルターに移して湯を注ぐと、まるで生きているみたいに、モコモコと粉が盛り上がる。1階のカウンターで、隣に座った人がうれしそうな顔をして言った。
「お母さんの点てる珈琲が飲める。久しぶりやなぁ」
「出かけるけど大丈夫?」
「遅れたらあかんよ。大丈夫、行ってらっしゃい」
11月20日(月)11時半。
カウンターで珈琲を飲んでいたお母さんの隣に座る。朝からお店を開けている人たちが、お昼ご飯を食べに行く時間に合わせて店に入り、まず珈琲を1杯。
「好きなものは珈琲、ビール、店、この街」
「何でも自分で考え、自分でやってみて、体を動かして、体で覚える。今は何でも調べたら分かるけど、見て覚える、見て(やり方を)盗む、若いときは恥ずかしい思いもいっぱいしたらええねん」
話しをしながらも、向こうのカウンターからお客さんが立ち上がる気配にスッと立ち上がり、レジに向かうお母さん。
「お代はいただいていますよ」
畑さんの声がした。
11月24日(金)3時過ぎ。
スターシップの川西さん、万貴ちゃんと一緒におじゃまする。2階で珈琲を頼むと、川西さんには着ているTシャツと同じような色の、万貴ちゃんのセーターの花模様に似た、優しい色合い、デザインのカップで出てきた。わぁ〜!すごいなぁ〜とビックリしていたら・・・
「2階の注文を1階に伝えるときに、工夫していることがあるねん。内緒やけど」
(写真 田村嘉久 川西陸隆)

川西さんからお母さんへ
お店を始めた頃の情熱が今も続いているように感じました。
万貴ちゃんからお母さんへ
一杯の珈琲で心が満たされる。こんな珈琲を自分も点てたいです。

※「元町レディース」は神戸元町商店街連合会ホームページの元町マガジンで読めます。