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毎週、土曜と日曜の午後1時から5時まで、4丁目のまちづくり会館前でマジックを披露しているモハメッド・福岡こと福岡康年さん。
こどもはもちろんのこと、マジック好きなダーツバーのご主人や、マジック教室をひらくプロも、福岡さんの新しい手品を楽しみに通ってくる。第6回のぐるぐるLibraryでは、ビアスの「悪魔の辞典」から"マジシャンとは人をだますことを生きがいとしている"と読み上げた。神戸出身。昭和17年生まれ。新聞、テレビで何度も紹介されているけど、2018年はこんな感じです。
―身につけているものがおしゃれですね?
パリの蚤の市で買ったものもあります。フランスは11回行きました。パリの街は歩いているだけで楽しいですよ。大道芸人、ストリートミュージシャンがあちらこちらにいます。まちづくり会館でマジックを始めたのも、元町商店街を歩く人にも、パリの街角のような雰囲気を味わってもらえたらいいなと思ったからです。2009年から続けています。

―世界一周の旅の思い出は?
1ドル360円で、持ち出せるのは500ドルまで、現地で働きながら旅をするのがふつうという時代でした。スウェーデンでは語学学校が無料なので通いました。そこで教えてくれるのは、仕事の見つけ方、部屋の探し方です。生活に必要なことをまず教えてくれることに驚きました。アフリカに行こうと思っていたので、学校でスワヒリ語を学び、動物のことも勉強しました。
旅先では、その国の新聞社に行って、無料でマジックをしたいから病院や施設を教えてくださいと頼みました。そうすると、おもしろい日本人が来たと珍しがられ、記事にしてくれるのです。ケニアでもそうでした。記事を読んで会いたいと言ってくれたのが、日本航空の小倉さんでした。

―「沈まぬ太陽」(山崎豊子著)の主人公だと言われる人ですね?
そうです。「お金はあるのか?」と会ってすぐに聞かれました。しばらくいたらいいと言ってくれたので、通訳やガイドとして渡辺貞夫さん、いかりや長介(故人)さん、動物のドキュメンタリー番組の撮影では羽仁進さんを案内しました。

―これから元町商店街でやってみたいことは?
「元町ミュージックウィーク」は秋のイベントとして定着しているので、春は「元町マジックウィーク」はどうでしょう。ちょうど「神戸元町商店街へのイベント企画案」を募集していたので、応募しました。マジシャンが商店街のあちらこちらで、お得意のマジックを披露するという内容です。

―決まるといいですね。決まっていることはありますか?
3月20日(火)から「マジック道場」を始めます。参加の方には練習してきたマジックを、必ずひとつ披露してもらうことになっています。
(写真 川西陸隆)