2015年7月「こうべ元町新聞」の『商人じゅずつなぎ』に店主さんが登場してお茶の話しをしています。今回は店主夫人の隆子さんに店内の気になるものについて、あれこれ聞いてみました。
Q.山城和束って書いてありますが、古そうなお茶箱ですね。
主人の父の郷がお茶の産地で有名な山城和束なのです。今もいとこがお茶の農家を営んでいます。主人は学生のころから、家業の手伝いをしていたそうですよ。私はサラリーマン家庭に育ったので、商売のことは何も知らずに嫁いできました。
お茶箱の材料は杉で、中にトタンを貼っています。ひんやりと、低温を保てるので、お茶の葉の保存に適しています。昔は衣類をしまったり、使い道がいろいろあり重宝していたのではないでしょうか。このごろは、アルミの袋にお茶を入れて、ダンボール箱で送られてきます。箱は小さくても20kgも詰められているのですよ。この袋は夜市のために取っています。ダンボール箱の内側に入れて、ゴミ箱として使われています。
Q.この大きな土瓶は?
主人が小さい頃からあったのではないでしょうか。達磨の絵は主人の祖父が描いたそうですから。この土瓶はさすがに、売ってくださいと言われることはないですが、ショーケースの小さな土瓶は、いくらですか?と聞かれます。これは主人の母が店の飾りにと集めてきたものです。そういえば、土瓶やお茶箱など、店内の写真を撮っていく外人さんが多いですね。
Q.店頭に並べている急須を見る人が多いですね?
先代が仕入れたものを、売れたら補充しています。このごろはお茶というと、ペットボトルで買う人が多いと聞きますが、急須は売れています。同じようなデザインで、持ち手がハンドルになっているものもありますよ。いいお茶はやはり急須で入れると美味しいです。低めの温度で、お茶の葉が開くのをゆっくり待ってくださいね。飲んだあとは、玄関やベランダの掃き掃除のとき、茶殻をまいてからほうきをかけると、砂ぼこりが舞わないので、おすすめです。
これからの暑い季節は、暑くても温かいお茶で、濃い目に出すと身も心もしゃきっとしますよ!(・・・と、店主さんからひとこと)
(インタビュー・川西万貴/写真・川西陸隆)