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出身は京都の西陣。実家は西陣織の生糸の染めから、反物の仕立、行商まで幅広くてがけていた。 田中屋はもともと呉服屋。「趣味の陶器」と看板にもあるように、2代目から田中屋陶器店と名乗るようになった。 |
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家業を手伝えるようにと、母から和裁の手ほどきを受けましたが、得意ではなかったです。学校を出て就職したのは珠算塾でした。そろばんのお教室をしたかったので、先生になる勉強をしながら塾の経営も学んでいました。滋賀県に住む遠い親戚の紹介で、縁あって元町の田中の家に嫁ぎました。その当時はもう陶器屋を営んでいました。結婚当初はここでそろばん教室をやりたかったのですよ。子供も好きだし、店の隅でも・・・と思いましたが、子供が大勢出入りすると、店の商品が壊れないかなぁとか・・・昔は店の造りもこんな風でなかったので・・・今の建物になったのは、平成元年ですからね。
このごろの人はこんなことは知らないかなぁと思って、どうしてですか?と聞かれたら置物の由来のようなお話をすることがあります。「招き猫」はたいてい高い場所に置かれていますが、狸は入り口のところで外ですね。狸、タヌキは他を抜く・・・から縁起がいいのです。人を招くので1体よりたくさん並べているのがいいですね。男の子と女の子がいますよ。見分け方ですか?女の子は葉っぱで前を覆っています。昔は男の子と同じで、そのままだったと記憶していますが、ある時から恥じらい?が出てきたようです。意外に気づかないのは、男の子が力杖を持っていることです。先が渦巻き模様になっているでしょう、これが杖です。
店内には食器から置物までたくさんの種類がありますので、どうかゆっくりご覧になってください。そういえば、OLさんが会社でお茶を入れるからと、急須を買いにいらしたのですが、手に取られたのが土瓶だったので、取っ手が付いているものが急須、つるがついているのが土瓶ですよ〜と言いました。
西陣の実家は後継ぎがいなかったのでやめてしまいましたが、建物は残っています。ひとつの屋根の下に何軒もの家が並んでいる長屋です。今では町屋というのですか?2軒でひとつの井戸を使っていました。ご近所との付き合いも盛んでした。まぁ、昔の話など子供は聞いてくれませんねぇ・・・元町で暮らしているのが、一番長くなりました。 |
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